芥川さん。この人は、跡部部長、忍足さんに次ぐとか、比肩するとか、そんなレベルじゃない。『最も危険な人物』だ。
「あ〜!ちゃ〜ん!!」
「わ、わ!先輩、やめてください・・・!」
「ん〜!ちゃんは柔らかくて、いい匂い〜・・・。」
「う〜・・・。そんなことないですってば!離れてください・・・。」
いつも寝ているくせして、こういうときだけ、やたら動きが早い。・・・俺も残念ながら、止められなかった。だが、近くに居たならば、すぐにでも止めていた。当然だ。に抱きつくなど・・・・・・許されることじゃない。しかも、この発言はセクハラだろ。
今すぐにでも、絞めてやりたい。と思っていたら、芥川さんがから離れた。・・・まぁ、今回は許しておこう。
「ちゃん、一緒にお昼寝しよっか?」
「しませんよ。もうすぐ、部活なんですから。」
「ぶー、ちゃんのケチ。」
「そんな可愛い顔で言われても、駄目ですよ?」
「カワイかった?エヘヘ、ちゃんの方がカワE!」
「わ〜!だから、離れてくださいってば!」
芥川さんは、またに抱きついた。さっきから、セクハラしすぎた、この人は・・・!絶対に絞める・・・!!
だが、芥川さんは起きているとき以外も、要注意だ。
「日吉。芥川先輩、見なかった?」
「芥川さん・・・?いや、見ていない。」
「そっか。もうすぐ、先輩の番なんだけど、また居なくなっちゃって。どこかで寝てるのかなー?とにかく、ありがとうね。」
「。俺も手伝う。」
「ん?大丈夫だよ?それに、日吉の休憩時間を無駄にしたくないし。」
礼を言って立ち去ろうとしたを、俺は引きとめた。当たり前だ。寝ているときも、あの人は危険なんだ。1人で行かすわけにはいかない。そのために探すのなら、休憩時間など、決して無駄ではない。
「は無理に起こそうとはしないだろう。俺が無理矢理にでも、連れて行ってやるから。」
「まぁ、それはそうだけど・・・。」
「休憩時間全てを使って休まなければならないほど、俺が弱く見えるか?」
「いやいや!そんなことはなくて・・・。ん〜・・・・・・。じゃ、お願いしちゃおうかな。」
「最初から、そう言えばいい。」
「ありがとう。」
「・・・どういたしまして。」
嬉しそうに、俺の隣を歩くを見て、俺の休憩時間ギリギリまで、芥川さんが見つからなければいいのに、なんて思いそうになったが、そんなことになったら、結局芥川さんの暴走を止められないから、早く見つけなければ。
そう思っていると、が居た!と声を出し、木陰の方へ行こうとした。俺も急いで、ついて行った。
「先輩!起きてください!芥川先輩?」
「ん〜・・・。な〜に〜・・・?」
「先輩、もうすぐ順番ですよ?」
「わかった〜・・・。でも、もう少し・・・。」
やはり、の起こし方は優しく、芥川さんはなかなか起きようとしなかった。・・・挙句。
「わっ・・・!!せ、先輩?!」
寝転んだまま、を引っ張り、そのままを抱きしめて、寝ようとした。
・・・おい!に何させてんだ、この人は・・・・・・!しかも、が怪我するだろ?!
「い、痛い、痛い!!」
俺はさっきの(というか、日頃の)芥川さんのセクハラを全て責めるように、入れられるだけの力を込めて、芥川さんの手をから無理矢理はがしてやった。
「大丈夫か、。」
「う、うん。大丈夫。」
「ひよCー!俺が大丈夫じゃないCー!!」
「いいじゃないですか。今の痛みで目が覚めたでしょう?」
「日吉のイジワルー・・・。俺はちゃんに優しく起こしてほしかったー・・・。」
「そんなこと言って・・・。さっき、私が起こしても、起きなかったじゃないですか?」
「ちゃんまで〜・・・。」
そう言いながら、またの方へ手を伸ばそうとしていた芥川さんの手を掴み、から引き離した。
そして、と芥川さんの間を俺が歩き、コートに戻った。
ここに芥川さんが居なければ良かったのに・・・なんて思ったが、この人のおかげで、と歩く時間が増えたのかと思うと、少し感謝した。・・・が、絶対に、今後もには触れさせねぇからな。
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あ。マネージャーのちゃんだ。俺はダッシュしながら名前を呼び、そのまま抱きついた。
「あ〜!ちゃ〜ん!!」
「わ、わ!先輩、やめてください・・・!」
「ん〜!ちゃんは軟らかくて、いい匂い〜・・・。」
「う〜・・・。そんなことないですってば!離れてください・・・。」
抱きついたまま、そんなことを言えば、ちゃんが困った顔をする。もちろん、俺とちゃんの仲だから、嫌ってわけじゃないハズなんだよねー。理由はわかってるんだ。ちゃんは、誰かに見られたら困るから。だから、俺もすぐに離してあげた。
「ちゃん、一緒にお昼寝しよっか?」
「しませんよ。もうすぐ、部活なんですから。」
「ぶー、ちゃんのケチ。」
「そんな可愛い顔で言われても、駄目ですよ?」
「カワイかった?エヘヘ、ちゃんの方がカワE!」
「わ〜!だから、離れてくださいってば!」
でも、やっぱり、俺はまた、ちゃんに抱きついた。そして、ちゃんも、また困った顔をする。でも、大丈夫だよ。ちゃんがこの状況を見られたくないと思ってる相手は、しっかりこっちを見て、俺のことを睨んでるから。
本当、面白いなぁ、日吉は。素直じゃないし。なのに、こんなことしてたら、すぐに睨んでくる。ホント、面白い。
でも、ずっと遊んでられるほど、俺もちゃんも暇じゃないし。俺は、すぐに寝る場所を探しに行った。
・・・サボリじゃないよ?今のうちに寝ておかないと、練習に気合が入らないからね。そのために寝るから、サボってるんじゃないよー。さて、この木陰で寝ようっと。
俺がスヤスヤ寝ていると、突然近くで、ちゃんの声がした。・・・あぁ、そろそろ俺の順番かぁ。
「先輩!起きてください!芥川先輩?」
「ん〜・・・。な〜に〜・・・?」
「先輩、もうすぐ順番ですよ?」
「わかった〜・・・。でも、もう少し・・・。」
あれ?日吉も居るじゃん。よし・・・。
「わっ・・・!!せ、先輩?!」
俺は寝転んだまま、ちゃんの手を引っ張り、そのまま抱きしめて寝るフリをした。
これで、日吉はどうするかな・・・?
「い、痛い、痛い!!」
日吉は入れられるだけの力を込めたみたいで、俺の手を無理矢理、ちゃんからはがした。そして、ちゃんを起こしてあげていた。
「大丈夫か、。」
「う、うん。大丈夫。」
「ひよCー!俺が大丈夫じゃないCー!!」
ホント、結構痛いよ?なのに、日吉は「してやったり」みたいな顔で見てきた。・・・やっぱり、日吉もちゃんのこと好きなんだなぁ。
「いいじゃないですか。今の痛みで目が覚めたでしょう?」
「日吉のイジワルー・・・。俺はちゃんに優しく起こしてほしかったー・・・。」
「そんなこと言って・・・。さっき、私が起こしても、起きなかったじゃないですか?」
「ちゃんまで〜・・・。」
日吉の味方をするあたり、ちゃんも日吉が好きなんだなぁって思ったら、嬉しくなってきて、そう残念そうに言いながらも、ちゃんの方へ手を伸ばそうとした。すると、日吉が俺の手を掴み、俺をちゃんから引き離し、ちゃんと俺の間を日吉が歩いて、コートに戻った。・・・うんうん、俺の思ったとおりになった。
俺は、からかうのも面白くて好きだけど、ちゃんと応援もしてるんだからね!
芥川さんは、からかいたいのか、応援したいのか・・・、それがわかりにくい人のように思えます(笑)。きっと、全力で応援しているつもりなんですが、それと同時に楽しんでいるような気もします。
・・・まぁ、それは芥川さんだけの話ではないんですがね(笑)。むしろ、ほぼ全員です(←)。
あ。次は、珍しく、ちゃんと応援してくれそうな宍戸さんとのお話、ですね(笑)。
ここまでお付き合いくださった皆様、誠にありがとうございます!今後もできれば、宜しくお願いいたします(深々)。
('09/11/08)